フリーランスに向いている人、向いていない人論

「選択肢 素材」とかで検索したら出てきた画像

フリーランス4年目の高橋です。

こちらの記事がとても良かったので、自分の経験も踏まえて「フリーランスに向いている人、向いていない人論」を考えてみます。

基本的には「自分で考えて自分で決めたらいいんじゃないすか」と考えてるので、オススメすることも止めることもあんまりしないです。

ただ、記事にもあるように安易にフリーランスを選択するのはやめたほうがいいです。

会社員でいるほうが総合的にハッピーな人の方が多いと思います。

書いてて気付いたんですけど、私も含めて新卒就活や転職活動で「安易に会社員を選択してる」とも言えますね。

「会社員かフリーランスか」という二元論より「安易か、熟慮の上か」なんだと思います。

私自身ノリで会社員辞めてフリーランスになって、結果的にまぁまぁ楽しくやれてるので「安易な意思決定だから良くない」は必ずしも成り立たない気もしますが、n=1の自分の経験が誰かの参考になるかもしれないので考えを書いてみます。

私の略歴

一社目でリコーの営業職、転職してワークスアプリケーションズでコンサルタント、人事、経理を経てフリーランスになりました。

現在4年目の後半で、これまで人事、経理、情シス、MVV刷新、パパコミュニティ運営、男性育休に関する講演などをやってきました。

子供二人いるので家事育児もやってます。

フリーランスをやってみて分かった個人的な向き不向き

まずいいところ、向いてるところから。

一番は時間の自由が効きやすいことです。

フリーランスになった一番の目的が「家庭へのリソースを増やす」だったので、家族で晩御飯を食べたり、子供を病院に連れて行ったりとかが調整しやすいのは大きなメリットです。

22時以降に仕事しても深夜残業にならないというのもいいです。

次に、色んな会社と色んな仕事できるというのがあります。

業務委託で各社のニーズに合わせて知恵と力を振り絞るわけですが、想像以上に幅広い領域にチャレンジできています。

よく言われる「フリーランスは過去の経験やスキルの切り売りになりがちで成長しづらい」という状況にあんまりなってないです。

そういう仕事もやりつつ、新しい領域の仕事もやれてるのはラッキーです。

自分が専門領域を持ててないことはコンプレックスというか課題として捉えていて、実際今も課題感はあるのですが、幅広く経験があるのはそれはそれで価値なんだな、と認識できるようになってきました。

「○○の人」の「○○」を埋めたいな、と思っていましたが相変わらず埋まらないので名刺も作れてませんが、幸いにして仕事をいただけているので本当にありがたいことです。

RANGEという本がすごく良かったというか勇気づけられたのでゼネラリストな人にはオススメです。

ただ、専門領域を持ってた方が発注側も依頼しやすいですし、仕事見つかりやすいのは当然です。

私が今のところ仕事をいただけているのは、ひとえに「自分はこういう人間で、こんな仕事をしている、してきた」ということを色んな媒体で発信してることが大きいと思います。

これまでいただいた仕事のほとんどが「友人知人に声をかけてもらう」とこらからスタートしてます。

「人脈」という言葉はあまり好きではないので「人的ネットワーク」とか「人との繋がり」と呼んでいますが、そういったものに助けられています。

これは一朝一夕に作られるものではないので、地道に発信してきたこと、色んなところで働いたり人と話して人間関係、信頼関係を築いてきて良かったです。

色んな会社と仕事できると「思考のコリがほぐせる」というメリットがあります。

一社のみで仕事してると「会社というのは、仕事というのはこういうもの」というバイアスに支配されがちです。

業種や会社のフェーズなど様々な会社の文化風土、システムに触れることで「こういう考え方もあるんだ」とか「こっちの会社はこういう仕組みなんだ」とか比較して理解できることが多いです。

一部上場企業とも社員0人のスタートアップとも仕事してきましたが、当然ながら色々違います。

好奇心が満たされるというのもありますし、自分がどんなフェーズ、文化の会社だと貢献しやすいのかも分かってきます。

ここまでがいいところです。

次にお待ちかね?の悪いところ、難しいところ、面倒くさいところです。

一番はやっぱり収入、雇用が不安定なところです。

「来期予算厳しいので契約終了したい」とか普通にありますし、次の仕事見つからなければ収入は減ります。

ポートフォリオの組み方、営業の仕方など工夫しないと、簡単に月商0円になります。

私の場合、一時期敢えて仕事を絞ったこともありますが、最大で年商に400万円くらい差があります。

ゴリゴリ貯金が減るのは精神衛生上良くないです。

ここは自分のみならず家族の理解も重要なので、フリーランスになるならそのあたりはしっかり話し合っておく必要があります。

お金関係でもう一つあるのが、会社員より出費は増えます。

国民健康保険高いですし、事業税払う必要があります。

社会保険料を会社が半分負担してくれたりしないので、出費は想像以上に増えました。

「会社員時代の年収くらい稼げればいいか」では相当厳しいです。

2倍とまでは言わなくとも、会社員時代の年収の1.5倍の年商くらいは稼げないと手取りは減ります。

あと事務手続き系は増えます

個人的にはそんなに負担じゃないんですけど、自分で全部やるようになって「会社って色んなことやってくれてたんだなぁ」と感じました。

人事、経理、総務、情シスなど、会社が組織としてサポートしてくれてるのは本当にありがたいことです。

仕事柄仕組みとして理解はしていたものの、実際に一人でやってみると改めて会社という仕組みはすごく従業員フレンドリーだったんだな、と感じます。

あとこれも個人的にはそれほど負担ではないのですが、契約書を読み解けないとマジでヤバいです。

会社員時代に経理をやっていた関係で契約書を死ぬほど読んできたので、それほど読み解くの苦じゃないんですけど、経験ないと読み解くの相当苦労すると思います。

普通に業務委託契約書にこちらが著しく不利になるようなことが書いてあったりしますし、先方から提示された契約書に一発でサインしたことはないです。

個人的に一番ヤバかったのは「週に○時間稼働すること」がコミットとして求められてて「いや、これ一週間風邪で寝込んで稼働できなかったら僕が契約違反になっちゃうんで絶対飲めないっす。こういう風に書き換えてもらえませんか」とお願いして修正してもらいました。

私は経験ないですが、世の中には契約書なしに発注してくる事業者もありますし、口約束が履行されず仕事して成果物を納品したのに一銭も貰えなかった、みたいなケースも聞きます。

契約書読めないと企業と対等に会話できないですし、不利になりやすいので要注意です

あと「組織への帰属意識」は持ちづらいです。

これは個人的には割と大きなデメリットでした。

前職では帰属意識がとても強く、会社の成長は我がことのように嬉しかったし、停滞や後退はものすごく悔しかったし責任を感じました。

フリーランスだとそういう帰属意識や仲間意識は持ちづらいです。

当然プロジェクトや仕事ごとに関わる皆さんとは連帯しますし、仲間意識も醸成されるのですが、やはり「中の人ではない」というのは大きいです。

責任という意味ではある種会社員時代より重いですけど、「中にいてコミットしてる会社員としての責任」とフリーランスとしての責任は何か種類が違う感があります。

業務委託先が上場したことがあるのですが、私もすみっコでちょっと貢献したとは言え、社員の皆さんがものすごく喜んでいるのを見て「この中にはいないな」と感じました。

これは気持ちの問題でもありますし、そこが重要ではない人にとっては気にしなくていい部分です。

まとめ

フリーランスのメリット

  • 時間の自由が効きやすい
  • 色んな会社と仕事できて楽しい
  • 経験の幅が広がって成長できる

フリーランスのデメリット

  • 収入が不安定になりやすい、支出が増える
  • 不利な条件を飲んでしまうリスクがある
  • 帰属意識が持ちづらい

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たかはしウォーカーのブログ

82年生まれ/二児の父/フリーランス/日々思ったことを雑多に書き綴るブログ