専門性を持たない私のフリーランス生活一年を振り返ってみる
丸一年経過したフリーランス生活を振り返ってみます。
働き方に悩む方の考えるキッカケや後押しになればと思います。
著者経歴
1982年生まれ。
リコーの営業→ワークスアプリケーションズに転職。
コンサルタント、採用、財務経理部門を経て2018年に退職、フリーランスに。
二児の父。
九ヶ月の育休取得経験あり。
一般社団法人Papa to Children(PtoC)理事。
フリーランスになった経緯
フリーランスになった直後の記事 にも書きましたが、次男誕生を前に働き方を見直す必要性を感じたこと、コンフォートゾーンにいると感じ何かしらチャレンジたくなったこと、「十年在籍、三十五歳」が何となく節目だったから、あたりが理由です。
あとはフリーランスの友人の話を聞いて「そういう働き方アリなんだ」と知った、ということもあります。
フリーランスとしての仕事探し
私が会社を見る視点は 「事業の社会貢献性」と 「働く人の魅力」 です。
その観点でWantedlyを探したり、人からの紹介で計15社ほどアプローチしました。
当然ながら「何が一番得意なんですか」と専門領域を聞かれることが多かったのですが、私のキャリア上あんまりそういうものはなかったので、答えるのに難儀しました。
評価いただいたと感じたのは「営業コンサルといったいわゆるフロント業務と、人事経理といったバックオフィス業務どちらも経験がある」ということです。
あとは前職ワークスアプリケーションズに十年在籍した、というところも大きかった気がします。
「仕事が大変な会社」という認知をされているようで、実際めちゃめちゃ大変だった上に様々な部門を渡り歩いたので、話題には事欠かなかったです。
何社かからは「正社員として入社してほしい」というありがたいお話もいただいたのですが、フリーランスでやってみようと決めていたのでお断りしました。
結果的に複数社と業務委託契約をするに至ったのですが、それぞれ人からの紹介でした。
フリーランスのぶつかる「あるある」について
独立前は「色々手続き煩雑なんだろうなぁ、面倒くさいなぁ」と思っていましたが、実際面倒くさかったです(笑)
とは言えやればいいだけの話ですし、大体のことはちょいとググれば答えに辿り着けるので、想像していた程ではありませんでした。
・初期的に必要な諸手続き
フリーランス初期に必要な手続きは、開業届と青色申告申請書の提出、厚生年金から国民年金への切り替え、健保から国民健康保険への切り替え、都税事務所での開業手続きなどです。
想像より大変ではなかったですが、役所や税務署に赴いて質問したりもしたので、退職から仕事始めまでに1ヶ月程度期間を空けておいて良かったです。
・確定申告
会計ソフトとしてfreeeを採用しましたが、大変優秀で助かっております。
期限の前月くらいに重い腰を上げましたが、きっちり期限前に提出完了しました。
ごく稀にググってもバシッと答えの出てこない仕訳があったりしたのと、「事業主貸」などといった企業会計では見たことのない科目の使い方に迷ったりしましたが、それほどの負荷ではありませんでした。
とは言え色々調べるのも含めて計7営業日くらいは使ったかもしれません。
ただこれは私が前職で会計をかじっていたからこの程度で済んだんだと思います。
前職の経験がなかったら一人で乗り越えるのはちとキツかったと思います。
フリーランスや個人事業主向けのサポートをしてくれる事業者も増えてくるといいですね。
ちなみに開業届もfreeeで作成しました。
・価格を決める
これは割と悩んだポイントです。
相場が分からないし、価格表があるわけでもない。
自分で自分の価値をお金に換算する、というのは貴重な体験でした。
個人的には「ちょっと高いかな」くらいで契約した方が頑張れるタイプです。
・業務委託契約の締結
財務経理時代、毎日のように契約書見てた経験が生きました。
支払サイト、業務内容、勤務形態など、見るべきポイントがいくつかありますが、この辺もググれば出てきます。
契約書を見慣れてないとちょっと苦労すると思いますが、自分の身を守るため、不要なトラブルを避け信頼関係を構築するためにもしっかり読み解くことをオススメします。
・スケジュール管理
働いている各社との予定、友人とのランチ、イベント参加、夜の予定、保育園の予定、自法人の理事会などなど、役割ごとに予定が入ります。
全部の予定が一つのスケジュール管理アプリに簡単にまとめられるやり方を見付けられず、手作業でせっせとやっています。
これは非常に生産性が低いし、ミスが発生しやすいので本当に何とかしたいです。
具体的に何をやっているか(仕事編)
一応人事部だったり経理部だったりに所属しているのですが、問題解決のために必要なことは何でもやらせていただいています。
何でもやってきた中の一部を紹介します。
・社長直轄の全社改革プロジェクト推進
経営の7Sとミッション・ビジョン・バリューの一貫性、整合性を整えるべく、現状の課題の洗い出し、クレド刷新、制度ルールの見直しなどを実施する社長直轄プロジェクトに参画しました。
こう書くと経営コンサル的でカッコいいのですが、やったことは割と泥臭くて、メンバーの合宿のファシリテートしたり、クレドのプロトタイプ作ってメンバー30人くらいにインタビューしてフィードバックもらったり、ツテを頼って他社の制度ヒアリングしてドキュメント化したりしました。
経営の基礎を体系的に学ぶ機会になりました。
また、前職でもコンサル時代、採用時代に社長直轄プロジェクトの経験がありましたが、改めて「社長ってすげぇな、大変だな」を間近で体感できました。
・社内システムの導入・利用推進
Confluence、Slack、Unipos、経理システムなどの新規導入や利用推進を実施しました。
コンサルタント時代にシステム導入や保守に関する様々なシーンを経験してきたことが生きたと思います。
これらの仕事をする中でGAS(GoogleAppsScript)をキャッチアップして、少し使えるようになりました。
・経理業務改善
業務とドキュメントフローを整理し最適化したり、経理システムの活用促進したりしました。
これも実際やったことは泥臭くて、経理の皆さん一人ひとりに業務のAsIsをヒアリングして、業務とドキュメントフローのToBeを描いて、実現に向けて何でもやりました。
一番喜んでいただけたのが「キャビネットの整理整頓」で、言葉にするとルーチンぽいのですが、ものすごく頭を使ったし、体も動かしました。
伊東屋に行ってオフィス文具を物色したり、メジャーでキャビネやドキュメントのサイズ測って、最もコストパフォーマンスの良い収納の提案をしたりしました。
あとは各部門の数値を統合するスプレッドシートを作成する中でだいぶスプレッドシートの関数や設定に詳しくなりました。
具体的に何をやっているか(ライフワーク編)
・パパコミュニティPtoCの 活動
昨年社団法人化したパパコミュニティ「Papa to Children(PtoC)」で理事を務めています。
パパのオフ会イベント「パパ未来会議」の企画運営や、広報対応、SNS運営、サイト運営など仲間と協力しながらやっています。
最近では厚労省イクメンプロジェクトへの参画があったり、8月4日の「大パパ未来会議」こと「ダディバーシティフェス」に向けた動きを加速しています。
企業勤めだとこういった活動がそもそも認められなかったり、許可を取る必要があったりしますが、フリーランスなのでそこは身軽です。
・育休男子.jpとして男性の育休取得を推進する活動
長男誕生時に九ヶ月の育児休業を取得し、男性の育休取得を推進するブログを立ち上げました。
更新頻度はそう高くないのですが、ありがたいことにあちこちから目を留めていただき、取材依頼や企画協力依頼をいただくこともあります。
最近だと以下の記事がややバズりました。
あとポッドキャストにも出演しました。
・noteで働き方や社会問題について発信
以前からちょこちょこ更新していたこのnoteも引き続き時々更新しています。
具体的に何をやっているか(生活編)
退職した大きなキッカケが第二子の誕生でした。
在職しながら時短なりフレックス活かして柔軟に働くというやり方もあったのですが、ガラッと環境や立場を変えることとセットで時間配分も変える選択をしました。
働き先全ての契約に「在宅勤務可」と記載してもらうなど、柔軟に調整できるようにさせてもらいました。
また、退職したタイミングでは妻が妊娠中だったので、働く可能性のある会社にはその旨を伝えた上で「産まれる周辺は勤務を減らします」ということも話していました。
原則出社して仕事しつつ、19時台には家に着くようにして、週一回はお迎えのため16時台に退社しています。
子どもが寝た後22時くらいからwebミーティングしたり資料作ったりSlackしたり仕事することも多々あります。
寝かしつけで一緒に寝落ちして「はうっ!皿洗ってねぇ!」となることもあります(汗)
また、夜の予定は極力控えて週一回程度にしています。
「あなたは何ができるんですか」への答え
分かりやすい専門性を持たず、自分の価値をうまく言語化できていないので、引き続き模索していきます。
少しずつ見えてきたのですが、どうやら私は「20から50くらいの状態を一気に70から80にする」仕事が得意のようです。
「0からの立ち上げ」はある程度やれる気がしますが「80から100」は苦手です。
立ち上がってはいるもののごちゃっとなった状態を整理整頓するのが得意なので 「組織版こんまり」 というキーワードが思い付いたのですがイマイチですかね(笑)
あと 「ポジティブな発信による人と組織のエナジャイズ」 は思った以上に貴重なスキルな気がしているのですが、職務経歴書にどう書いたもんだろう…。
今後の展望
あまり長期ビジョンを持たず、計画的偶発性に任せて日々を一生懸命生きていこうと思ってます。
一応フリーランス生活を2年は続ける予定だったので、1年後どうなっているか楽しみです。
先日はトナシバというところが主催する複業を考えるイベントに登壇させていただきました。
おかげさまでご好評いただけたので、今後もこういった働き方系のイベントにお呼びいただけたら微力ながら貢献します。
一緒に働いてきた皆さんに 「高橋さんはええで!」 と推薦していただけるように自分を鍛えていきますので引き続きよろしくお願いいたします。